リディア王国(現トルコ)のクロイソス王が鋳造させた世界最古の金貨。
【動画編】
Wikipedia:「クロイソス」より
種類、大きさが何種類かある中で、本金貨は最大の大きさを誇るヘヴィーシリーズとよばれる金貨になります。
貨幣の登場
時は、B.C560年頃 今から2580年頃という遥か昔、日本は縄文時代後期。卑弥呼の更に700-800年前、国家という人間社会の確認が現在も取れず、天皇も国家といった痕跡も勿論無い時代です。
※地図「世界史の窓」より
当時のヨーロッパ(西アジア含む)は、ピラミッドでお馴染みのメソポタミア文明後の世界で、ギリシャ等のヨーロッパ社会、そして西側諸国(アジア方面)との経済文化交流地点であったリディア王国は地政学的な要素もあってか、人類史上初の貨幣(コイン)というお金が生まれます。
それまでも、人類は何度も物々交換から“お金”を流通させる試みをしましたが、なかなか成功しませんでした。そしてこのリディア王国のクロイソス王が、「質と重量」を統一し流通させる事に成功します。
そこには、それまでも希少性と便利性(腐らないなど)から素材として認められていた金・銀。そこに下記のような刻印をすることによって宗教性、神秘性、呪術性をうたい、重量を統一することで多くの人々を納得させ、「信用」を得ることになりました。
表面には格闘中のライオンと牛が描かれています。ライオンは“強さ”を、牛は“富”を意味していると言われます。
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このお金の原点となった意味合いが最も重要です。
お金の革命
様々な人々からの「信用」をどう得るか?がお金の原点であると言え、それは今現在のお金の本質と変わりはありません。
そして、今まで重量で測っていた金銀の量から、金貨銀貨の大きさの違いで交換するだけで取引ができるという使い勝手が格段と向上したことで、経済が活性化することになります。
その後、ギリシャ世界、ペルシャ世界、アレキサンダー帝国、ローマ帝国と様々な国々で統一コインが鋳造され現代文明への歩みを進めていく事になります。
リディアコインの登場は、まさにその「お金の革命」でした。
さて、ここでこのお金のパイオニアとなったクロイソス王は莫大な富を得ることになりました。それは金銀が豊富にあったということもそうですが、人々が使う金貨銀貨を大量に鋳造する事が出来た訳ですから、当然と言えば当然です。
=“通貨発行権を手に入れた”とも言えますが、この論理が今後の帝国支配者達の重要な戦略として、現代にも続いていく事になります。
そのリディア金貨が鋳造されてから、約2580年経過した21世紀の今、金融、お金はまさに大革命を迎えようとしています。
2580年前からのメッセージ
金貨銀貨という現物から、金本位制での紙幣発行、変動相場制から、デジタル仮想通貨への移行。それは、通貨発行権という権力が変わろうとしている事なのか!?
大衆の「信用」を得て、「使い勝手が格段に向上」した2580年前のリディア金貨。
使い勝手は格段に向上してきているマネーのデジタル化。
しかしその「信用」をどこから得ていくか?
お金の概念自体が変わろうとしている中で、2580年という壮大な時を経て、この金貨は現代の我々に何を語りかけているのでしょうか?この当時の歴史の証となる建築物や美術品等々がほとんどこの世の中に残されていない中で、2580年前に存在していた歴史の証がここにあります。
コイン革命を起こしたクロイソス王は現代の我々に何を思うのでしょうか?
ちなみに、本金貨と同じ時代に発行されている金貨は、世界中の教科書に書かれているだけではなく、大英博物館、ルーブル美術館、他世界各国の博物館美術館に展示されています。がしかし、これだけの美しい状態を保っているものは限りなく少ないのも事実です。
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