第一章-7 ポンド基軸通貨制度を支えたのは政府でも王でもない

◆ポンド基軸通貨制度を支えたのは政府でも王でもない

マネーは信用に成り立つものではありますが、この19世紀、国民人々はイギリス王室に対して(ビクトリア女王が長かった)国民・国家の象徴として位置づけられていた事から信用が生まれていたかもしれません。

しかしながら、そのイギリス王室と議会にお金を貸していたのは、銀行家達でした。この構造はず~っと変わりません。ですがこの19世紀の世界の覇権を握っているイギリスという国家にこれほどまでに影響を持ち続けた銀行家は他にいないでしょう。

ロスチャイルドです。

ロスチャイルドはご存知の方が多いと思いますが、簡単に改めてご紹介しておきますと、マイヤー・アムシェル・ロスチャイルドというユダヤ人が迫害(職業に制約を)を受けていたドイツのフランクフルト、ユダヤ人たちが住むゲットー地区の出身です。

職業に制約を受けていたというのは、その頃はまだキリスト教による世界で、キリスト教はお金というものを卑しいものとして捉えていた為に、両替などの職種はユダヤ人達しか取り扱うことが出来ませんでした。マイヤーはその両替商と共に古銭を取り扱うようになります。古銭は実際にお金として使う事は出来ませんが、一つずつのコインにその歴史的意味があり、希少性によって価値が異なります。その知識を使って、当時の貴族達を顧客に獲得していきながら、金融業としてヨーロッパで力をつけていく事になります。

そして5人の子供に恵まれ、イギリス(ネイサン)、フランス(ジェームス)、ドイツ(アムシェル)、オーストリア(ソロモン)、イタリア(カール)に配置させそれぞれ銀行や金融業を営んでいく事になります。

その中でも最も力をつけたのは、イギリスのネイサンでした。

1700年代後半、イギリスは産業革命を迎え、金貸しは莫大な利益をあげていきます。それまで金貸し達は国家(王・議会)に金を貸し、戦争をしていましたので、勝てば大きな利益を得ることが出来ましたが、負ければ0になるハイリスクハイリターンでしたが、事業に対して投資をすることに変化していきましたので、安定的に資本は増えていく事になります。

また、イギリスでは前述の通りシティに金融街が発展していっているという条件も相まって(ネイサンが作ったという説もあります)、1800年に入っていくとシティでネイサンを知らない人はいないという存在になっていきます。そして、この風貌。目立たない訳は有りませんね。

そして、勿論このネイサンをはじめとするロスチャイルド一家は各国に金貸しをしながら、資産を増やしていく事になりますが、これは国家(王・議会)と金貸しの権力関係図が完全に「国家(王・議会)」<「金貸し」となっていく事を意味します。産業革命による資本主義は経済成長を遂げることになりますが、今までの長い人類の国家構造の歴史を大きく変えることとなったわけです。

ざっくりとこの中世ヨーロッパ以降のマネーの流れをご参照ください