UNIVERSAL COIN ─ MEMBER PRESENTATION

CPI波形予測
シナリオ別 月次予測

ホルムズ封鎖期間別 ・ 月次コアCPI予測 ・ 真水(補助金抜き)ベース
5シナリオで見る「物価がどこまで上がるか」の構造的見通し
2026 . 05 . 10 会員向けプレゼン資料
◆ SCENARIO ①
5月末解放(3ヶ月封鎖) / 確率 25%
+7.3%
ピーク 2026/9。早期解放で第2波途中で打ち止め。
◆ SCENARIO ②
6月末解放(4ヶ月封鎖) / 確率 30%
+9.5%
ピーク 2026/10。最頻シナリオ。2022年欧米水準到達。
◆ SCENARIO ③
7月末解放(5ヶ月封鎖) / 確率 20%
+11.5%
ピーク 2026/12。1973年第1次オイルショック並み。
◆ SCENARIO ④
9月末解放(7ヶ月封鎖) / 確率 20%
+14.5%
ピーク 2027/1。1973-74年中間水準、欧航空停止予想。
◆ SCENARIO D
解放されない(10ヶ月+) / 確率 5%
+19.0%
ピーク 2027/2。1974年(+23%)に近い水準。新常態確立。
KEY MESSAGE 最頻シナリオ②(確率30%)でCPI +9.5% ── 2022年欧米水準への到達

2026/2/28にホルムズ封鎖から70日。物価は上流(エチレン・ナフサ)が2倍に急騰し、中流(化学・包材)が+30〜75%、下流(食品・建材)が+15〜40%と段階的に伝播中。最頻シナリオ(確率30%)では2026年10月にコアCPI +9.5%に到達 ── 2022年欧米のインフレ水準と同等。

下振れシナリオ④+Dは合計確率25%(4回に1回) ── オイルショック級のCPI +14.5〜+19.0%が現実化する確率。これは1973-74年第1次オイルショック並みの物価上昇率を意味する。

5/14-15 米中首脳会議(Trump-Xi 北京)がIran/Hormuzを議題に開催。サミット結果次第で原油は$80台への急落 or $130-150への急騰の二方向に大きく振れる。本資料はこの分岐点直前のスナップショット。

SCENARIO ① ピーク
+7.3%
2026/9 / 確率 25%
SCENARIO ② ピーク
+9.5%
2026/10 / 確率 30%
SCENARIO ③ ピーク
+11.5%
2026/12 / 確率 20%
SCENARIO ④ ピーク
+14.5%
2027/1 / 確率 20%
SCENARIO D ピーク
+19.0%
2027/2 / 確率 5%
/ 01
本資料の核心
最頻シナリオ②+9.5% / 下振れ確率25% / 上流2倍急騰の現状
/ 02
月次CPI予測 ─ シナリオ別一覧
5シナリオ × 月次推移 / 2026/3〜2028/12
/ 03
なぜ起きるか ─ 波形伝播メカニズム
上流→中流→下流→サービス / 産業横断値上げ実測値
/ 04
2022年ウクライナ戦争との比較
過去比2-3倍規模の物価ショック / 決定的な違い
/ 05
政府方針との乖離
政府0% vs 必要17.8%節約 / 18pt超のギャップ
/ 06
監視ポイント
米中サミット / MOU署名 / 補助金枯渇判断
/ 01本資料の核心最頻シナリオ②+9.5% / 下振れ25% / 上流2倍の現状

3つの数字で見る現状(2026年5月10日時点)

① 最頻シナリオでCPI +9.5% ── ホルムズ封鎖が6月末まで続く場合(確率30%)、2026年10月にコアCPI +9.5%に到達。これは2022年に欧米が経験したインフレと同等の水準。

② 下振れ確率25%(4回に1回) ── 封鎖が9月末以降まで長期化する場合、CPIピークは +14.5〜+19.0%。1973-74年第1次オイルショック並み。

③ 上流価格は既に2倍 ── アジアスポット(エチレン)は$350→$700(2倍)、ナフサ$1,061(5/2大景化学・MOU合意接近で$1,190から-11%下落)。物価への伝播は今後本格化する段階。

5/14-15 米中サミット ─ 分岐点直前のスナップショット

5/14-15 トランプ・習近平 北京会談でIran/Hormuzが議題の中心。中国はHormuz石油の世界最大バイヤー、米国は中国に対イラン圧力を要請。金融市場は「解決ターニングポイント」と織込み中(5/6 株式記録的高値+原油-$10急落)。

サミット結果次第で原油価格は$80台への急落(合意成立)$130-150への急騰(決裂) の二方向に大きく振れる。これがCPI予測の最大の分岐点となる。

/ 02月次CPI予測5シナリオ × 月次推移 / 真水コアCPI(補助金抜き)
① 3ヶ月封鎖
5月末解放
② 4ヶ月封鎖
6月末解放
③ 5ヶ月封鎖
7月末解放
④ 7ヶ月封鎖
9月末解放
D 解放されない
10ヶ月+
2026/3 確定+2.0%+2.0%+2.0%+2.0%+2.0%
2026/4+2.5%+2.5%+2.5%+2.5%+2.7%
2026/5+3.2%+3.2%+3.2%+3.2%+3.5%
2026/6+4.5%+5.0%+5.2%+5.5%+6.0%
2026/7+5.5%+6.5%+6.8%+7.3%+8.2%
2026/8+6.5%+7.5%+8.2%+9.2%+10.7%
2026/9+7.3% PEAK+8.5%+9.5%+10.8%+12.7%
2026/10+7.0%+9.5% PEAK+10.5%+12.3%+14.7%
2026/11+6.7%+9.3%+11.3%+13.3%+16.5%
2026/12+6.4%+8.9%+11.5% PEAK+14.3%+17.8%
2027/1+6.0%+8.5%+11.2%+14.5% PEAK+18.7%
2027/2+5.7%+8.2%+10.9%+14.3%+19.0% PEAK
2027/3+5.5%+8.0%+10.5%+13.8%+18.5%
2027/6+4.8%+7.3%+9.8%+13.5%+18.0%
2027/12+3.5%+6.0%+8.5%+12.5%+17.5%
2028/12+1.5%+3.5%+6.0%+10.5%+16.0%

表の読み方 ─ 3つの重要ポイント

① 起点+2.0%: 2026/3のコアCPI(補助金抜き素値)。政府発表+1.8%に補助金寄与-0.2ptを戻した「真水」の値。

② ピーク値が「物価上昇のピーク水準」: 各シナリオで物価上昇率(前年比)が最大になる時点の値。最頻シナリオ②なら2026年10月に+9.5%でピーク。

③ 戻りは緩やか: 価格下方硬直性により、ピーク後の戻りは月-0.05〜-0.2pt程度。長期化シナリオD(確率5%)では2028年でも+16%水準が続き、新常態が定着する可能性。

/ 03なぜ起きるか波形伝播メカニズム ─ 上流から下流への階層伝播

波形理論 ─ 物価上昇は4-6ヶ月かけて段階的に伝わる

ホルムズ封鎖による供給ショックは、まず上流(原油・ナフサ・エチレン)を直撃し、そこから中流(化学・樹脂・包材)下流(食品・建材・日用品)サービス(外食・交通・保険)へと4-6ヶ月かけて段階的に伝播する。各階層で値上げ率は減衰するが、消費者の生活コストへの影響は下流とサービス層で顕在化する

伝播の階層構造(実測値ベース)

UPSTREAM ─ 上流
原油・ナフサ・エチレン
+75〜100%
既に2倍に急騰。物理供給制約(ホルムズ通過96%崩壊)が直撃
MIDSTREAM ─ 中流
化学・樹脂・包材
+30〜75%
塩ビ・PE・PP・酸化エチレン・シリコーン等で2回目値上げ進行中
DOWNSTREAM ─ 下流
食品・建材・日用品
+15〜40%
6月906品目・7月952品目の値上げ予定。本格化は6月以降
SERVICE ─ サービス
外食・交通・保険
+5〜10%
マック・すき家・JR東日本などで実施済。賃上げ連動の二次波及
CONSUMER PRICE
CPI(消費者物価)
+9.5%
最頻シナリオ②のピーク値(2026/10)。各階層の重み付け平均

産業横断 ─ 値上げ実測値(抜粋)

階層業界・製品値上げ率注釈
上流エチレン(アジア市況)+100%(2倍)$350→$700/トン(2026/4)
上流原油 Brent+75%$65→$108(5/8時点)
上流ナフサ(日本着スポット)+77%(2倍弱)$600→$1,061(5/2大景化学)
中流PE(旭化成)+120円/kg以上4/1出荷分から
中流塩ビ(信越化学)累計+30〜40%4/1+30円/kg→5/11+30円/kg(2回目)
中流酸化エチレン(三菱ケミG)+130円/kg以上5/1納入分から、洗剤・界面活性剤に転嫁
中流シリコーン(信越化学)全製品+10%以上2026/5実施
中下流食品包材(グンゼ)+30%野菜用フィルム等
中下流断熱材(カネカ)+40%ポリスチレン原料
下流エアコン(パナ)最大+40%4/1実施、住宅設備用
下流建材・床材(サンゲツ)+18〜30%7/1実施予定
下流加工食品(平均)+15%5月70品目→6月906品目→7月952品目で本格化
サービス外食(マック・すき家)+10〜60円2026/2-3月実施
サービスJR東日本+7.8%(普通)/+12%(定期)2026/3/14実施

FINDING ─ 各階層の値上げ率が「波形理論」想定とぴたり整合

各階層の値上げ率は 上流+75〜100% / 中流+30〜75% / 下流+15〜40% / サービス+5〜10% と、波形理論の階層別減衰モデルとほぼ完全に整合。これがCPIピーク予測の骨格データ。

注目すべきは下流の伝播タイミング: 食品値上げは5月70品目(4ヶ月ぶり100品目下回る)から6月906品目・7月952品目へと加速。下流の本格的な値上げラッシュは6月以降(包装・資材要因69.9%が過去最高ペース)。

/ 042022年ウクライナ戦争との比較過去比2-3倍規模の物価ショック ─ 決定的な違い

結論 ─ 2026年は2022年の2-3倍規模になる可能性が高い

2022年(ウクライナ戦争)の日本コアCPIピークは +4.0%(2022/12)。2026年(ホルムズ封鎖)の最頻シナリオ②でのピークは +9.5%、シナリオDなら +19.0%過去比2-3倍規模の物価ショックが起こりうる構造になっている。

PAST ─ 過去の事例
2022年 ウクライナ戦争
  • 原料: 天然ガス・小麦が中心(欧州主体)
  • 日本への影響: 限定的(直接的な物理供給制約は弱い)
  • エチレン上昇率: +78%(2022年5月ピーク)
  • 日本コアCPIピーク: +4.0%(2022/12)
  • 補助金: 順次拡充されて緩衝材として機能
  • 円安進行: 115→130円
  • 値上げ環境: 値上げ抵抗が残っていた
PRESENT ─ 現在進行中
2026年 ホルムズ封鎖
  • 原料: 原油・ナフサ・エチレン(中東依存74%)
  • 日本への影響: 直撃(物理供給制約・ホルムズ通過96%崩壊)
  • エチレン上昇率: +100%(既に2倍、更に上昇余地)
  • 日本コアCPIピーク予測: +9.5〜+19.0%
  • 補助金: 2026/4で完全終了(緩衝材なし)
  • 円安進行: 150→160円超(4/30介入で抑止)
  • 値上げ環境: 値上げ慣性が定着、抵抗が消失
/ 05政府方針との乖離政府0% vs 必要17.8%節約 ─ 18pt超のギャップ

政府は「節約不要」、しかし本来は年18%の節約が必要

政府方針(2026/4/27〜30時点):

  • 高市首相 4/27参院予算委「経済活動も社会活動も今止めるべきではない」
  • 高市首相 4/30閣僚会議「ナフサ年越し供給可能」「6月以降5割代替調達でも年越し可」
  • 直接的な需要抑制要請は 主要国の中で日本だけが未実施(野村総研・木内登英 5/1指摘)

しかし、本資料の確率加重期待値ベースでは:

  • 原油供給ショック: 年度平均必要節約率 17.8%(政府0%との18pt超ギャップ)
  • ナフサ供給ショック: 年度平均必要節約率 14.0%(政府0%との14pt超ギャップ)
  • CPI: 最頻シナリオ②でピーク +9.5%(2022年欧米水準)、下振れ25%でオイルショック級

政府発表通りに「通常運転」を続ければ、確率加重で年18%の供給不足が発生 ── 民間在庫取崩し・無計画な節約・物価3桁上昇のいずれかで埋めることになる。「政府が動いていない=安全」ではないことを理解する必要がある。

下振れシナリオ④+Dは合計確率25% ─ 4回に1回はオイルショック級

シナリオ④(9月末解放、確率20%)とシナリオD(解放なし、確率5%)を合計すると 確率25%(4回に1回)。この場合、CPIピークは+14.5〜+19.0%に達し、1973-74年第1次オイルショック並みの物価上昇が現実化する。

これは「あり得る悲観シナリオ」ではなく、4回に1回起こる確率の現実的レンジ。資産防衛の観点では、最頻シナリオ②(+9.5%)だけでなく、下振れ25%への備えも必要となる。

/ 06監視ポイント米中サミット / MOU署名 / 補助金枯渇 ─ 今後30日の重要イベント

監視カレンダー ─ 直近で確認すべきイベント

本資料の予測は、以下のイベントの結果次第で大きく動きます。それぞれのイベント発生時に、CPI予測のシナリオ確率分布が変動する可能性があります。

日付イベント意味と影響
★★★ 5/10-12イラン最終応答(MOU署名可否)米イラン14ポイントMOU(覚書)の最終署名タイミング。決裂時はシナリオD側に確率分布が即時シフト、原油$130-150急騰。
★★★ 5/14-15米中首脳会議(Trump-Xi 北京)Iran/Hormuzが議題の中心。合意成立で原油$80台急落・①シナリオ直行、決裂で$130-150急騰・③④Dシナリオに確率移動。本資料予測の最大の分岐点
5/224月全国CPI実績発表予測の妥当性検証。本資料は4月+2.5%(全シナリオ共通)を予測。実績が予測を上回る場合は伝播率係数を上方修正。
5/295月東京都区部CPI速報5月の立ち上がりカーブ検証。本資料は5月+3.2%(②シナリオ)を予測。早期検証指標。
6月中旬ガソリン補助予備費枯渇判断2025年度8,000億円積み増しの予備費が6月に枯渇する民間試算。縮小・終了なら+0.2〜0.4ptの追加押し上げ、補正予算で延長なら波形に影響なし。
6/15-16日銀金融政策決定会合4月会合は利上げ見送り。6月利上げの可否で円相場が大きく変動。150円台 or 160円台再挑戦の分岐点。
7月以降化学メーカー2回目値上げの本格化塩ビ(信越化学)既に2回目実施、その他化学品も同様の動き。第2波の本格反映のタイミング。
夏-秋食品メーカー6月906品目超えTDB予測通り下流伝播の本格化。「包装・資材」要因69.9%が過去最高ペース。下流ピーク値の検証指標。

会員の皆様へ ─ 本資料の使い方

本資料は、ホルムズ封鎖から70日経過した現時点での「物価がどこまで上がりうるか」のシナリオ別月次予測です。5シナリオ × 月次推移を確率分布とともに提示することで、「最頻ケース」と「下振れリスク」の両方を可視化しています。

政府は「節約不要」と発信していますが、実態は本来年18%の節約が必要なほどの供給制約。この乖離が今後どう埋まるか(民間在庫取崩し・無計画な節約・物価上昇のいずれか)が、向こう半年から1年の経済の最大テーマです。

本資料は週次で更新します。上記の監視ポイントの結果が判明し次第、シナリオ確率分布を再校正し、最新版を会員の皆様にお届けします。