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Ⅱ部-8:スペインの衰退、イングランド大英帝国への礎、金融国家ネーデルランド16世紀~/「スペインの衰退」

<スペインの衰退>

前回の大航海時代で記した通り、15-16世紀はスペインが世界を支配していました。マネーの面(スペイン貨幣が国際共通貨幣となっていた)でも、無敵艦隊と呼ばれる船隊によって大西洋他の海を支配していました。

そして、前述のハプスブルグ家によって、広大な支配圏を持ち、新大陸アメリカからの金銀の流入で大きな国力を得る”はず”でした。

しかし、1588年のアルマダの海戦(対イングランド・ネーデルランド)でエリザベス1世率いるイングランドに敗戦し、そこから急激に国力を弱めていきます。

約100年という大航海時代、スペインの全盛期はヨーロッパ諸国での宗教戦争に明け暮れていました。ハプスブルグ家の皇帝のほとんどが戦争に明け暮れている状況でした。

よって、新大陸からの莫大な富があるにも関わらず、新大陸から流入した金銀の70%以上が戦費によって消え、国家は度々デフォルトを繰り返していました。莫大な収入(歳入)があるにも関わらず、大帝国の戦費に莫大な費用がかかり、常に歳出が膨大で財政赤字が続いていたという事です。

それでは、ハプスブルグ家(帝国)はどこから資金を借りていたのか?
デフォルトを繰り返していたことで、その資金源からの信用が低下し、無敵艦隊もイングランドによって破られ、その信用は崩れ去る事で、資金の流れが止まり、急激に衰退していく事になります。その「資金源」は・・・?「大航海時代のマネー~ネーデルランドの発展」で記述いたします。

また、スペインの経済が止まった一つの要因は、「消費税」です。アルカバラという消費税で、最終消費者にだけかかる消費税ではなく、取引毎にかかるというものでした・・・。
日本では2019年に消費税増税10%、そしてその後も増加させていく方針のようですが、消費税は実体経済を大きく滞らせる事は歴史が示す通り。それを、1000兆円の借金を孫世代に残してはならない・・・という財務省からの真実とはとても言えない情報操作によって、増税を実行しようとしています。何もしなければ間違いなく経済は鈍化し、物価下落(+貨幣速度の減少)⇒GDP減少⇒賃金低下⇒失業率悪化・・・とマイナススパイラルに陥ることは見えていますが、これは意図的なのかも知れないと思えるほどです。
そう、国家は国民を簡単に裏切るのです。歴史がそれを示しますが、その歴史はまた後述致します。

 

【まとめ】

「スペインの衰退」時代を、マネー経済という視点で見ると・・・

  • 新大陸からの莫大な金銀の冨は国民には渡らず、銀行家、王室、最終的に戦費(ヨーロッパ諸国で宗教戦争による争いで国家予算の70%)、に回ってしまったことで、実体経済を潤すことにはならなかった。

  • アルカバラという消費税によって経済の血であるマネーが止まる。我々が知る消費税は最終消費者一人が支払うものですが、このアルカバラは、取引毎にかかるものでした。経済から考えると最悪で、人間の血液に例えるとドロドロの流れにくい血が体内を回っていたということで、物価は上昇(品物が減少)一時税収は増えたかと思いきや、実体経済が悪化し結果的に税収が減ることになっていきます。

⇒次(Ⅱ部-9:スペインの衰退、イングランド大英帝国への礎、金融国家ネーデルランド16世紀~/「イングランド大英帝国への礎」)に続く